年代: 〜1700年代、 イタリア
こちらは、大変大きなサイズのアンティークレースのテーブルクロスです。大変古い1700年代頃のお品と思われます。全体的な構図・デザインも魅力的ですが、それぞれのパーツは、まるでイタリアンレースの見本帳のよう、様々な凝った技法がほどこされています。
中心から、細かな古い時代特有のフィレレースタイプのブラートが縦長に入っており、そのまわりをロココ技法レースと、しっかりとしたレティチェラレースが飾っています。
このレティチェラレースは、16世紀にはすでにその記録があり、リネン地に刺繍をほどこし、刺繍のない布部分を切り取り糸の部分だけを残す。。。まさに、ニードルレース原型の技術名でした。刺繍とレースが、はっきりと分かれたとも言える初期のレース手法です。
上記、この中心の縦長部分だけでも、大変価値のあるすばらしいお品で、小さなスクラップピースが、高額で取引されている程です。さらに、幾何学的模様とお花模様が刺繍された、*大きなゲージのフィレ系レースが大胆に広範囲にわたって入っています。そして、1番外側にあるトリムはカントゥーレース、細かなイタリアン・ボビンレースです。
どれも、いつまでも見入っていたくなる程の、すばらしいレースばかり、このくらい古いお品になりますと、様々なパーツがバラで見つかることはあっても、ここまで揃った完成品は、本当に希少です。まさに、ミュージアムピースと言えるお品です。
当時は、豪華な館で、巨大なテーブルにかけられていたお品と思われます。1700年代の人が愛でたであろう、すばらしいお品です。
アメリカで行われたハイクラスのテキスタイル・オークションで出てきたお品です。また、実際にミュージアムピースを扱っていたオークションハウスでしたので、こちらもそういった経路のお品かと思われます。まさに一点もののミュージアムピースです。
全過程ハンドメイドレース、リネン糸メイン
お色: グレーエクリュ (アンティーク麻のナチュラル・カラーです。ホワイトではありません。)
サイズ: 全体: 2m85cm x 1m45cm
コンディション: *大きなゲージのフィレ系レース部分片辺に、升目を形成する糸が年代経過のためちらほらと切れており、そのため1cm程のホールがこの一片のみ、あちこちと広がっています。 (全体画像右側の縦長のフィレレース個所です。クロースUPの画像も、最後から2番目に記していますのでご確認ください。)
修復をなさる場合は、それぞれ、少しずつ糸で結んで頂いても良いかと思います。また、手をかけるだけ価値あるお品とも思います。
他、ごくわずかですが、トリムはしに多少消耗やホール、ややセピアがかったシミ等見られますが、雰囲気を壊すような個所は見当たりません。お洗濯は済んでいますので、このまま大切に扱ってください。
上記の難はありますが、まさに、250年以上はゆうに経っているであろう、古いお品です。この長い年月の間に、レースがパーツごとに分けられたりせず、テーブルクロスとしての形を保って生き残ってきたことを思いますと、本当に感動を覚えます。そして、あらためて当時使用されたリネンの糸質と、職人の手仕事の技術の高さに脱帽してしまいます。全てを考慮しましても、レア度、技術度、年代、、、、やはり大変魅力的で、すばらしいお品です。ずっしりとリネンの質感も感じられ、手触りも良いです。
レースコレクターの方や、古いアーリーレースのスタディピースをお探しの方には、是非お勧めしたいお品です。同じものは二度とでないと思います。