年代: 1848年、 パリ、フランス
今から164年前の、フランスのファッション雑誌の挿絵です。写真が普及していなかった当時は、このように、エングレーヴィング(銅版画)の白黒印刷をベースに、職人さんたちが、スタジオで手描きで色付けをしたものが、ファッション雑誌の挿絵として使用されました。当時でも、上流階級の女性でしか見ることの出来なかった、贅沢なお品です。そっと紙を手で触れてみますと、今とは違う、どこか凸凹とした印刷のラインが感じられるのも特徴です。
こちらは、1800年代前半のファッションの様子が描かれていますが、ドレスはふんわり円形フリル、ボネは、きっちりとしたストレートなシェイプ、女性の髪はおでこの真ん中で分けて、ぴったりと、当時の特徴が良く出ています。ヴィクトリア時代後期になりますと、ドレスの形も、トレーンを引く長いすそのものや、ヘアースタイルにも、もっとバリエーションが出てきますが、この頃のファッションや、イラストの雰囲気も大変素敵です。まさに、ジェーン・エアの世界ですね。
是非、表装なさってお楽しみください。
サイズ: 25.3cmx16cm
コンディション: 右側にもともと製本されていた雑誌から離れた跡がありますが、イラスト箇所は、全て綺麗です。多少の汚れ、左上に折れがあるものの、ペーパーの色もぱりっとホワイトで、かなり保存状態は良かったと思われます。 全体的に、とてもしっかりとしています。